整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーはどちらも人気の片付け資格です。
どちらも片付けで快適空間を目指すプロになるための資格であり、初心者向けの2級と、プロ資格の1級があります。
似ている要素が多い資格であるため、「整理収納アドバイザー、ライフオーガナイザーどちらが自分に向いているんだろう」と迷っている方は多いでしょう。
そこで今回の記事では、この2つの資格の違いを比較解説したいと思います。
整理収納アドバイザーは片付けについて「物」からアプローチする、ライフオーガナイザーは片付けについて「人」からアプローチする資格と言えます。
しかしこの違いだけではわかりにくいですよね。
「どんなことを学ぶ資格なのか」「資格を取るためにはどうすれば良いのか」の2つに分けて詳しく解説したいと思います。
2つの資格の違いがわかれば、どちらがあなたにとってメリットが多い資格なのか見極めることができるでしょう。
整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの違いはわかりにくい
整理収納アドバイザーもライフオーガナイザーも「片付けをすることで日々の生活を心地良いものにする」というゴールを目指す資格です。
どちらも初心者向けの2級と、プロ向けの1級があります。
自分の片付け改善のために2級を取得する方、片付けが苦手な方をサポートするプロになるために1級を取得する方がいます。
似た要素が多い資格なので、以下のように疑問がある方は多いでしょう。
整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーで学ぶ内容の違いは?
最近はさまざまな片付け資格がありますが、学ぶ内容は異なります。
それぞれの資格の片付けメソッドを勉強し、その知識を発信できるプロになることが求められます。
しかし整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーで学ぶ内容は似ている部分が多いため、違いがわかりにくいでしょう。
2つの資格の知識の違いは何なのでしょうか。
その違いを知り、共感できる片付け論を学べるほうの資格を選びたいですね。
整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの資格取得方法の違いは?
片付け資格は民間資格になりますので、取得方法はさまざまです。
認定講座を受けただけで取得できる資格もあれば、本格的な試験が実施されるケースも少なくありません。
そのため、整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーを比較する時には、取得方法も確認しておく必要があります。
「勉強したいと思える内容の資格だから選んだけれど、試験が難しくて断念してしまった…」という失敗は避けたいですね。
整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーを検討している方に中には、このような疑問がある方は多いでしょう。
そこで次の章では、2つの資格の「学べる知識」「取得方法」を比較解説したいと思います。
整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの学べる知識を比較
整理収納アドバイザーとライフオーガナイザー、どちらの資格を選ぶべき迷ったら、まずはそれぞれの資格で学べる内容を比較しましょう。
どちらの資格も、「片付けをすることで日々の生活を快適にしよう」という考え方は同じです。
これを実現するための知識を学びます。
片付けが苦手だから資格を取りたいという方は、その知識を使い自宅の片付けを改善することがゴールになるでしょう。
片付けを仕事にしたいという方は、その知識を使い顧客の片付け改善をサポートすることがゴールになります。
しかし整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーはこのゴールへのアプローチ方法が異なります。
そのため学ぶ知識も違うのです。
この違いを解説していきましょう。
整理収納アドバイザーで学べる内容
整理収納アドバイザーとは、「ハウスキーピング協会」が認定している資格です。
ただ片付けるのではなく、片付かない原因を解決するためのメソッドを伝えるための資格です。
この片付かない原因を解決するためのメソッドとは、「物を通して部屋をきれいにする」です。
具体的には以下のような流れになります。
①片付かない
↓
②片付かない原因を「物」で考えて対策する
↓
③片付けを実践する
↓
④成功体験を得ることで片付けへの苦手意識を克服する
このように、片付けられないという問題に対し、その理由を「物」からアプローチします。
具体的な例を挙げてみましょう。
片付けられない原因は「不要な服が多すぎるために、部屋に服が散乱しているから」だとしましょう。
この問題を解決するために、不要な服を断捨離し、すべての服がクローゼットにスッキリ収納できる状況を作ります。
これより「服が少なければスムーズに片付けられる」という成功体験を得ることができます。
そうすることで、「この状態を維持できるように服を買いすぎないようにしよう」と意識改革ができるでしょう。
メリット:わかりやすく即効性がある
整理収納アドバイザーのメソッドでは、物から片付け改善を考えます。
そのために必要な「片付けの基本概念」「片付けの具体的な技術」を学ぶことになります。
難しい思考や考え方ではなく、わかりやすい片付け理論を学ぶので、理解しやすいでしょう。
「このような片付かない原因の場合の対策はコレ」という流れがある程度決まっていて、それに従って勉強する感じですね。
また、はじめに「実践(成功体験)」するので、即効性があります。
片付け苦手を克服するために資格を取る方の場合は、テキストの内容を実践してみると「上手く片づけられた!」という喜びが得られるでしょう。
これにより片付けへの苦手意識を克服しやすくなります。
プロになり片付けが苦手な顧客にアドバイスするときも、まずは顧客に成功体験してもらった上で片付け改善をサポートできるのでスムーズです。
デメリット:元に戻りやすい
物から片付け改善をすることにデメリットは「元の状態に戻りやすい」ということです。
片付けやすい環境を作ることができていても、意識改革ができていない状態だと、いわゆるリバンドが起きやすいでしょう。
次にご紹介するライフオーガナイザーは、意識改革をした上で片付け習慣を定着することを目指します。
整理収納アドバイザーでも意識改革についても学びますが、ライフオーガナイザーほどではありません。
ライフオーガナイザーで学べる内容
「ライフオーガナイザーとは、「日本ライフオーガナイザー協会」が認定している資格です。
整理収納アドバイザーと同じように、片付かない原因を解決するためのメソッドを伝えるための資格となっています。
しかし整理収納アドバイザーと違うのは、片付かない原因を解決するために「人を通して部屋をきれいにする」メソッドであることです。
具体的には以下のような流れになります。
①片付かない
↓
②片付かない原因を「人」で考えて、気持ちを整理する
↓
③片付けを実践する
↓
④成功体験を得ることで片付けへの苦手意識を克服する
このように、片付けられないという問題に対し、その理由を「人」からアプローチします。
まず「どうして散らかるのか」「どうして整理できないのか」「どうしたいのか」といった気持ちを考えます。
思考を整理しながら、その人に合った収納方法や片付け方法を考えるという流れです。
メリット:価値観を重視するのでリバンドしにくい
片付け方法は、その人の価値観によって異なります。
例えば「キッチン収納は〇〇」などの収納術がありますよね。
しかしライフスタイルや価値観によっては、必ずしもそのキッチン収納術が正しいとは限りません。
料理好きで毎日三食料理をする人の場合と、あまり料理をない人の場合では、使いやすいキッチン収納方法が異なるでしょう。
ライフオーガナイザーは価値観を重視するため、その人に本当に合った収納方法を見つけやすくなります。
納得できる収納方法を実践できるので、無理なく続けられるでしょう。
また、片付けない原因を「人(気持ち)」からアプローチし、はじめに意識改革を行った上で片付けを実践していくため、リバウンドしにくいメリットもあるでしょう。
デメリット:即効性がない
シンプルに整理収納を学ぶ整理収納アドバイザーに対し、ライフオーガナイザーは「整理収納の前段階の思考」を学ぶ資格と言えます。
そのため、そのメソッドには実効性がありません。
すぐに「片付けられてスッキリ!」という効果を得たい方には向いていないでしょう。
また、顧客に片付けサポートする場合は、その人の思考やライフスタイルなどを考慮して、どのように片付けサポートするか考えることになります。
ある程度の片付けノウハウをアドバイスすれば良い整理収納アドバイザーよりも、難易度は高いと言えるでしょう。
整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの学べる知識の違いまとめ
ここまで整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーで勉強する知識の違いを比較してきました。
まとめると以下のようになります。
整理収納アドバイザー | ライフオーガナイザー | |
メリット | ・シンプルに片付けノウハウを学ぶのでわかりやすい ・即効性のある知識を学べる |
・片付け知識だけでなく思考を整える方法も学べる ・ライフスタイルや価値観を重視した片付け理論を学べる |
デメリット | ・意識改革のための片付け知識はあまり学べない | ・学んだ知識の結果はすぐに出にくい ・考え方や思考を学ぶので難易度が高い |
向いている人 | ・整理収納に関する基礎知識を学びたい ・すぐに片付け問題を解決したい ・顧客に片付け術をアドバイスしたい |
・整理収納を実現するための心理的な要素を学びたい ・心理的観点から片付け嫌いを改善したい ・人と対話し分析するのが好き |
このような内容を参考にしていただき、どちらの資格が自分に向いているのか考えてみてください。
学びたいを思う内容の資格を選ぶことができれば、楽しく勉強できるでしょう。
整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの取得方法を比較
次に、整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの取得方法を比較したいと思います。
どちらの資格も、初心者向けの2級と、資格名を名乗りプロとして活動できる1級があります。
ただし整理収納アドバイザーの場合は、さらに1級の前段階の準1級があるのが特徴です。
どちらも資格も、自宅やオフィスの片付けを改善したい方は、2級もしくは準1級を目指すことになります。
整理収納アドバイザー、ライフオーガナイザーとして活動するためには、1級を目指しましょう。
どちらもいきなり1級を取ることはできません。
整理収納アドバイザーは2級→準1級→1級という流れで取得する必要があります。
ライフオーガナイザーは2級→1級となります。
それでは、それぞれの取得方法を比較解説しましょう。
整理収納アドバイザーの場合
整理収納アドバイザーの2級、準1級は認定講座を受講し、簡単な試験を受けて合格すれば取得することができます。
しかし1級は筆記試験と実技試験があるためハードルが高くなります。
それぞれの級の取得方法は以下になります。
2級と準1級の取得方法
取得方法 | 「整理収納アドバイザー2級認定講座」を受講する(会場orオンライン) | 「整理収納アドバイザー準1級認定講座」を受講する(会場orオンライン) |
受講資格 | 特になし | 整理収納アドバイザー2級、その他の片付け資格取得者 |
学習期間 | 6時間×1日 | 6.5時間×2日間 |
受講料金(税込) | 24,700円 ※テキスト代込み | 36,300円 ※テキスト代込み |
教材 | テキスト | テキスト |
試験方法 | まとめテスト | まとめテスト |
2級と準1級の取得方法は同じ流れです。
全国各地で実施される会場での認定講座、もしくはオンライン(Zoom)認定講座を受講します。
講座の最後にまとめテストが行われますが、確認のためのテストなので、ほぼ全員が合格とされています。
ただし、2級はどなたでも受講できますが、準1級は2級を取っていることが条件です。
もしくは、以下のような資格取得者でもOKです。
- 整理収納アドバイザー2級認定WEB講座
- 職場整理収納アドバイザー
- オフィス環境診断士2級
- 企業内整理収納マネージャー
- 整理収納アドバイザー オフィス&ホーム
- 住宅収納スペシャリスト
- 整理収納教育士
これらの資格は、整理収納アドバイザー資格を主催する「ハウスキーピング協会」が提供している資格です。
整理収納アドバイザー2級認定WEB講座もありますので、リアル講座が受講しにくい方は、eラーニングで勉強し、資格取得もできます。
WEB講座の内容は、こちらの記事「整理収納アドバイザーeラーニングのweb講座を解説」をご覧ください。
また、整理収納アドバイザーは通信講座「ユーキャン」で取得することもできます。
整理収納アドバイザー2級と準1級をダブル取得できる講座があるのでおすすめです。
通信講座で勉強したい方はこちらの記事「整理収納アドバイザーをユーキャンで勉強する方法」で詳しい内容をご確認ください。
1級の取得方法
資格名 | 整理収納アドバイザー1級 1次試験 | |
1次試験 | 受講資格 | 整理収納アドバイザー準1級取得者 |
試験方法 | 会場試験orCBT試験 | |
試験科目 | 筆記試験(択一式) | |
試験会場 | 【会場試験】東京、大阪【CBT試験】47都道府県のテストセンター | |
受験料(税込) | 【会場試験】14,300円、【CBT試験】18,700円 | |
2次試験 | 受講資格 | 整理収納アドバイザー1級1次試験合格者 |
試験方法 | 会場試験orオンライン試験 | |
試験科目 | 研究発表および口頭試問 | |
試験会場 | 会場(東京、大阪他)orオンライン | |
受験料(税込) | 19,800円 |
整理収納アドバイザーの1級はこのように1次試験と2次試験に合格する必要があります。
1次試験は会場試験か、全国に300箇所以上あるテストセンターで行われるCBT試験になります。
2級、準1級のテキストから出題される筆記試験です。
2次試験は会場かオンライン(Zoom)試験。
テーマを選び研究発表を行う実技試験になります。
2級、準1級で学んだ内容を踏まえて、研究資料を作成します。
事前準備をきっちりしておけば、比較的受かりやすい内容です。
1級の試験に関する情報は、こちらの記事「整理収納アドバイザー1級の1次試験、2次試験のテスト内容」をご覧ください。
詳しい情報をご紹介しています。
このように、整理収納アドバイザーは、2級と準1級の取得方法は難易度が低いです。
「気軽に目指せる初心者向けの片付け資格を取りたい」という方に向いている資格と言えるでしょう。
WEB講座やユーキャンなど、取得方法が複数あるとこも魅力ですね。
「ユーキャンで勉強したい」という方も、整理収納アドバイザーが向いていますね。
1級の取得方法は本格的な試験になるためハードルは高くなりますが、2級と準1級の勉強をきちんと行っていれば、スムーズに受験することができます。
計画的に取得したい方に向いている資格と言えるでしょう。
ライフオーガナイザーの場合
次にライフオーガナイザーの取得方法を見ていきましょう。
ライフオーガナイザーは2級も1級も同じ流れになります。
取得方法 | 「ライフオーガナイザー2級認定講座」を受講する(会場or会場) | 「ライフオーガナイザー1級認定講座」を受講する(会場orオンライン) |
受講資格 | 特になし | ライフオーガナイザー2級取得者 |
学習期間 | 5時間×1日 ※オンラインは2日に分けて実施 |
5時間×3日間 ※オンラインは、 Zoom受講2.5時間×4時間+動画視聴8時間 |
受講料金(税込) | 23,700円 ※テキスト代込み | 97,900円 ※テキスト代別途 |
教材 | テキスト | テキスト |
試験方法 | 確認テスト | 認定試験(内容非公開) |
全国各地で実施される会場での認定講座、もしくはオンライン(Zoom)認定講座を受講します。
学習時間は整理収納アドバイザーより長く設定されていますね。
2級の場合は、受講後に簡単な確認テストが行われます。この点も整理収納アドバイザーと同じです。
ただし、受講期間は2日間にわたる点は、整理収納アドバイザーよりハードルが高めと言えますね。
また1級の場合は、整理収納アドバイザーと取得方法が異なります。
整理収納アドバイザーは認定講座はなく1次試験と2次試験でした。
ライフオーガナイザーは認定講座と認定試験という流れです。
この認定試験の詳細は非公開なので、実際に認定講座を受講しないと内容がわかりません。
整理収納アドバイザーのように心の準備ができない点はデメリットと言えるでしょう。
また、費用は整理収納アドバイザーよりも高くなります。
整理収納アドバイザーの場合は、もっとも安く取る方法なら10万円程度になります。
ライフオーガナイザーは1級の受講料が高いので、整理収納アドバイザーよりもトータル費用は高くなるでしょう。
ライフオーガナイザーを検討中の方は、このような難点を考慮した上で決めたいですね。
整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーは違いが多い資格
(画像出典:ユーキャン)
今回は整理収納アドバイザーとライフオーガナイザーの資格の違いをご説明してきました。
どちらも片付けにより生活を快適にするための資格ですが、そのアプローチが違います。
整理収納アドバイザーは片付けについて「物」から考えますが、ライフオーガナイザーは片付けについて「人」から考える資格と言えるでしょう。
まずはこのようなメソッドの違いを理解して、自分に合った知識はどちらなのか考えましょう。
その上で、取得方法も比較し、スムーズに取得できるか検討すると良いですね。
整理収納アドバイザーもライフオーガナイザーもどちらも人気が高く、おすすめ資格と言えます。
しかし、細かい内容は違いが多く、向き不向きがありますので、よく見極めてくださいね。