片付け資格の中でも知名度が高い整理収納アドバイザー。
1級を取得することができれば、整理収納アドバイザーとして活動することも可能です。
しかし「1級の試験は難しそう」「どうやってすればいい?」と不安な方も多いでしょう。
整理収納アドバイザー1級は決して簡単な試験ではありませんが、きちんと対策を考えて、計画的に勉強すれば、それほど難しいものではないでしょう。
しかし、その方法がわからないですよね。
そこで今回の記事では、整理収納アドバイザー1級の1次試験、2次試験に向けた勉強法をご紹介したいと思います。
1級の試験なんて難しくて無理…と漠然とした不安がある方も、具体的な勉強法がわかると、トライしてみたくなるかもしれません。
整理収納アドバイザー1級の勉強法がわからない
整理収納アドバイザーの2級、準1級は、認定講座を受講した後に簡単な確認テストを受けることで取得できます。
きちんとテキストを読んで勉強していれば、解ける問題ばかりなので、合格率はほぼ100%とされています。
しかし1級試験はそうはいきません。
以下のような不安がある方は多いのではないでしょうか。
1次試験は範囲が広いから難しい
1次試験は選択問題が100問出題される内容になります。
合格基準は70%以上なのでそれほど難易度は高くありません。
しかし準1級認定講座のテキストから出題されるので、範囲が広いです。
2級と準1級を取るために勉強した範囲すべてなので、難易度は高いでしょう。
2次試験は実技試験だから難しい
2次試験は実技試験になるため、さらにハードルの高さを感じるでしょう。
研究発表および口頭試問となっています。
普段研究資料を作ったり、プレゼンをする習慣がない方の場合は、何から手を付ければ良いかわからない!となってしまうでしょう。
さらに試験官の前での発表が緊張する…という方もいると思います。
整理収納アドバイザー1級に挑戦したいと思っても、合格するのは無理かな…と断念してしまうかもしれません。
しかし、1級の試験が難しいのは確かですが、きちんと対策をして臨めば、難しいものではありません。
実際に1次試験の合格率は70~80%、2次試験は80~90%と高めです。
次の章では、自信をもって1級試験に臨むためのおすすめ勉強法をご紹介したいと思いまう。
整理収納アドバイザー1級1次試験勉強法を解説!おすすめ対策4ステップ
整理収納アドバイザー1級の1次試験は覚える範囲が広いため、難しさを感じる方が多いでしょう。
しかし対策を立ててコツコツ勉強すれば、スムーズに受験に挑めるでしょう。
まずは1次試験の概要をご覧ください。
会場試験 | CBT試験 | |
試験形態 | 筆記試験(マークシート方式) | CBT試験 |
受験料(税込) | 14,300円 | 18,700円 |
会場 | 東京、大阪 | 全国にある約300箇所のCBTテストセンター |
日程 | 月に数回 | ほぼ毎日 |
合格発表 | 約1ヶ月 約1ヶ月 | 試験終了後 |
出題 | 100問 準1級認定講座のテキストから出題 |
100問 準1級認定講座のテキストから出題 |
試験時間 | 60分 | 60分 |
受験資格 | 準1級取得者 | 準1級取得者 |
合格基準 | 70%以上 | 70%以上 |
合格率 | 70~80% | 70~80% |
このように、会場試験かCBT試験から選ぶことができます。
CBT試験のほうが好きな場所、好きなタイミングで受験できるので便利ですね。
1級の試験概要はこちらの記事「整理収納アドバイザー1級の1次・2次試験と解説」でご確認ください。
どちらも試験方法を選んでも、出題内容は同じです。
準1級認定講座のテキストから100問出題されます。
それではこれに向けてどんな学習法が有効なのか見ていきましょう。
- ステップ1:準1級と2級のテキストを平行して勉強する
- ステップ2:重要なポイントは書いて覚える
- ステップ3:2次試験の準備を進めながら実践勉強をする
- ステップ4:オンライン学習サイトで模擬問題を解く
ステップ1:準1級と2級のテキストを平行して勉強する
1級1次試験の試験範囲は「準1級のテキストの内容」です。
しかし準1級のテキストを丸暗記すれば良いわけではありません。
準1級で覚える知識は2級テキストに書かれている内容がベースとなっています。
例えば準1級のテキストにある内容は、2級テキストで学んだ「収納スキルの3大効果」「5つの鉄則」などの整理収納の基礎理論に触れながら進められています。
この基礎理論の理解が曖昧なままだと、頭に入ってこないでしょう。
時間をかけて勉強しても、うまくインプットできないおそれがあります。
まずは2級のテキストをしっかり読み込み、一通り頭に入れた上で準1級のテキストを読んだほうが効率よくインプットできます。
その上で準1級のテキスト読み、わからない部分があれば2級テキストに戻って復習しながら、知識を深めていきましょう。
学習ポイント
2級と準1級の勉強は続けて行うことが大事です。
ハウスキーピング協会の認定講座で勉強する場合も、ユーキャン通信講座で勉強する場合も、2級の後すぐに準1級の勉強をすることがおすすめです。
2級の基礎知識を頭に入れたまま準1級の応用編に進めば効率よく勉強できます。
間が空いてしまうと、2級で学んだことを忘れてしまい、復習に時間がかかってしまうので非効率になってしまうでしょう。
短期間で1級試験に挑みたい方は2級→準1級→1級1次試験とスピーディーに進める計画を立ててみてくださいね。
注意点
2級、準1級はハウスキーピング協会の認定講座、ユーキャン通信講座で勉強することができます。
どちらのカリキュラムも1級の試験範囲を学ぶことができます。
ただし、利用する教材が異なる点だけご注意ください。
ハウスキーピング協会の認定講座では公式テキストを使うので問題ありません。
しかしユーキャンの場合は、ユーキャンオリジナルのテキストです。
ユーキャンの教材は質が高く、わかりやすい内容なのでおすすめです。
しかし、1級テストでは、「公式テキストには書いてあるけれど、ユーキャンのテキストには書いていない内容」が稀に出題されることがあります。
ユーキャンで勉強した方で、試験対策を万全にしたい方は、公式テキストを購入しておいたほうが良いですね。
公式テキストは市販されており、2,000円弱で購入することができます。
ステップ2:重要なポイントは書いて覚える
2級、準1級のテキストを読み込んだら、重要なポイントをまとめていきましょう。
解くに準1級では、2級の基礎知識を踏まえた上での、ポイントとなる用語がたくさん出てきます。
このような用語はテストに出題されやすいため、きちんと覚えておきましょう。
読んでいるだけでは覚えにくくても、手を動かして書くことで記憶が定着しやすくなります。
まとめ用のノートを1冊用意しましょう。
そこにポイントとなる用語を自分の言葉でまとめていきます。
何からまとめれば良いかわからない…という方は、テキストの章ごとにノートを1ページ使い、その章の要点をまとめるとスムーズです。
「どうまとめようかな…」と頭で考えることで、テキストの内容をかみ砕いて理解しようとするので、知識が深まるはずです。
学習ポイント
ハウスキーピング協会のテキストにも、ユーキャンのテキストにも、重要な用語は太字になっています。
このような用語は特に出題されやすいので、網羅的に覚えておきましょう。
まずはノートに太字部分を書き出して、その内容を自分の言葉でまとめると良いでしょう。
注意点
ノートにまとめようとすると、ついついテキストを丸写しになってしまう方もいるでしょう。
それでは効率よくインプットすることはできません。
できるだけ自分の言葉で書くようにすることが大切です。
説明文などはきちんとした文章である必要はありません。
あなたが理解できればOKですので、自由に書いてみましょう。
ステップ3:2次試験の準備を進めながら実践勉強をする
次のステップは、実践的なものになります。
テキストを読んで、ノートに書くことで知識がどんどんインプットされるでしょう。
しかし、それをアウトップすることでより定着させることができます。
そこでおすすめしたいのが、2次試験の実技試験対策も平行して行うということです。
2次試験は1次試験に合格しないと進むことができません。
そのため「1次試験に合格したら2次試験の勉強をしよう」という方が多いかもしれませんね。
下の章でご説明しますが、2次試験の内容は「2級、準1級で学んだ知識をもとに研究発表をする」というものです。
つまり、2級、準1級の知識をアウトプットするということです。
いくつかテーマはありますが、例えば「友人や家族などの部屋を片付けし、その過程や結果をまとめ、研究発表する」というものになります。
2次試験は事前に研究を提出し、その内容をプレゼンする形です。
その研究資料作りを1次試験の勉強と同時進行することで、「①1次試験のアウトプット勉強になる」「②2次試験対策を先行して行える」というメリットがあるでしょう。
具体的な進め方は、下の章で改めてご説明したいと思います。
ステップ4:オンライン学習サイトで模擬問題を解く
(画像出典:NPO法人ハウスキーピング協会)
最後のステップはオンライン学習サイトを利用して、模擬問題を解くということです。
整理収納アドバイザーを主催するハウスキーピング協会は、1次試験対策として、オンライン学習サイトを用意しています。
以下に概要をまとめましたのでご覧ください。
内容 | 整理収納アドバイザー1級1次試験の出題内容に対応したWeb学習サイト ※約300問の試験類似問題を解ける |
料金(税込) | 2,400円 |
利用期間 | 支払いより90日間 |
学習内容 | 第1章:整理収納のファシリテイトスキル 第2章:整理収納ファシリテイトのための基礎理論 第3章: 整理収納ファシリテイトのための基礎知識 第4章:整理収納ファシリテイトの実践スキル 第5章:職場の整理収納 まとめ:整理収納全般 |
1) ~まとめまで動画を視聴しながら、テスト対策を行います。
90日間利用できますので、たっぷり対策ができるでしょう。
学習ポイント
おすすめポイントは約300問の試験類似問題を解けることです。
これをしっかりこなすようにしましょう。
実際の試験でどのような問題が出題されるのか見ることができるので、試験対策にはバッチリです。
また苦手克服対策にも効果的です。
一通り解いてみると、苦手な部分がどのあたりなのかわかるでしょう。
その部分をテキストでしっかり復習すればより確実な試験対策ができますね。
注意点
このオンライン学習サイトはとても便利なコンテンツですが、あくまでも復習教材ですのでご注意ください。
この学習サイトだけやっておけばOKではなく、前述したように、「テキストを読む→ノートに書く→アウトプットする」という過程もしっかり行いましょう。
整理収納アドバイザー1級2次試験勉強法を解説!おすすめ資料作り対策
次に1級2次試験の勉強法についてご紹介したいと思います。
試験形態 | ・個別試験 ・研究発表および口頭試問 |
研究内容 | 作業編または提案編のどちらかを選択する |
提出資料 | 枚数:表紙+A4 相当の資料 10 ページまで 形式: Word、Excel、PowerPoint のいずれかのファイル形式 または PDF |
試験時間 | 15分 ※研究発表(10分)と口頭試問(5分) |
このように、事前に提出した研究資料をもとに研究発表を行い、その後に試験官の質問に対して、口頭で答える流れになります。
2次試験は個別試験になりますので緊張するかもしれません。
しかし、研究利用をしっかり作り込んでおけば安心して挑めるでしょう。
ここからは、「研究発表を決め方」「研究資料作り対策」を解説したいと思います。
2次試験の受験料などの試験概要については、こちらの記事「整理収納アドバイザー1級の1次・2次試験と解説」にまとめてありますので、気になる方はチェックしてくださいね。
研究内容を決め方
上表にあるように研究テーマは「作業編」「提案編」から選択します。
それぞれどのような内容なのかご説明しましょう。
作業編とは
自分以外の第三者(家族可)をクライアントとして、まずはその人が抱える問題を考えます。
そしてその問題の解決に向けて、「整理収納作業」でアドバイスを行います。
その結果として、①クライアントに対してどのようなファシリテイトができたのか、②アドバイザー自身がどのように成長できたか、とまとめます。
提案編とは
作業編と同じように、自分以外の第三者(家族可)をクライアントとし、ずはその人が抱える問題を考えます。
そしてその問題の解決に向けて、「整理収納法についての提案」をします。
その結果として、①クライアントに対してどんなファシリテイトができるのか、②そこから得られる意識改革、③アドバイザー自身の成長などをまとめます。
このように後者の「提案編」はやや難易度が難しいと言えます。
ビフォーアフターがわかりやすいということで、「作業編」を選ぶ受験生が多い傾向にあります。
具体的な内容を考えてみて、どちらにするか迷った場合は「作業編」を選ぶと無難でしょ。
テーマが決まったら、10ページまでの資料を作成し、メールにて提出する流れになります。
それではこの研究資料作り、および研究発表のおすすめ対策をご紹介したいと思います。
研究資料作り対策
「研究資料作りなんで難しそう…」と不安なる方は多いと思います。
しかし、ポイントをおさえることができれば、意外とスムーズに進めることができるでしょう。
何からすれば良いかわからないという方は、以下3つのポイントをおさえてみてくださいね。
①テキスト内容を使って研究内容をまとめる
研究発表は「整理収納アドバイザーとしての知識が身についているか」を確認するものです。
あなたのオリジナル収納術を披露することが目的ではありません。
2級、準1級で学んできた整理収納アドバイザーの理論をもとに研究資料を作ることが大前提です。
そのためには、テキスト内容を使って研究内容をまとめる必要があります。
反対に言えば、テキスト内容をそのまま素直にまとめた研究にすれば良いので、スムーズに作成できるでしょう。
1次試験対策の章で「ステップ3:2次試験の準備を進めながら実践勉強をする」をお伝えしました。
1次試験勉強として2級、準1級のテキストを読んだりノードとまとめたりすると思います。
その時に、同時にこの研究資料作りも行いましょう。
さまざまな片付け理論がありますが、解くに「これは自分にも当てはまるしよくわかる!」と共感できる理論があるでしょう。
そのような理論を研究テーマに盛り込むと良いですね。
テキストの理論に従いながら、かつ自分の言葉で資料を作れるでしょう。
②理論だけでなく具体的な内容を心掛ける
「整理収納アドバイザーの理論をもとに研究資料を作る」ことが大切であるとお伝えしました。
ポイントは、「理論をもとに」という点です。
ただ理論をまとめた内容、テキストを写したような内容では不十分です。
理論を踏まえた上で、「どんな作業工程をしたのか」「どんなアドバイスをして、どんな反応だったか」「理論が反映された結果になったか」など、具体的な内容を書くことが大切です。
整理収納アドバイザーの片付けメソッドを軸として、できるだけ具体的な内容を盛り込み、オリジナリティのある研究にできると良いですね。
「具体的な内容がわからない」という方は、整理収納アドバイザーの先輩方の情報を参考にするのもおすすめです。
ハウスキーピング協会HPの「活動紹介」→「アドバイザー紹介」に進むと、整理収納アドバイザーの方々の一覧、個人のホームページを見ることができます。
整理収納アドバイザーとして、「どんなふうにクライアントの片付け問題を解消しているのか」を紹介している方もいますので、資料作りの参考になるでしょう。
③試験官が見やすい内容を心掛ける
研究内容が素晴らしいものでも、試験官にそれが伝わらなければ意味がありません。
はじめて資料を見た試験官が理解しやすい内容にすることが大事です。
ポイントは以下の3つです。
- 言いたいことがきちんと伝わるか
- 文章がスッキリしているか
- レイアウトがスッキリしてるか
まず、あなたが言いたいことがきちんとまとめてあるか、理論立てて説明できているか、を確認しましょう。
そのためには、文章がスッキリしていることも重要です。
だらだら長い文章で読みにくくなっている場合は修正しましょう。
また一目見てわかりやすいレイアウトも重要です。
箇条書きにしたり、数字をつけたり、文字の強弱をつけるなどして、見やすさにもこだわりましょう。
このようなポイントに気を付けていただくと、第三者が見た時にわかりやすい資料になります。
仕上がった資料を客観的に見て判断してみましょう。
このようなポイントをおさえていただき研究資料を作成しておけば、当日の研究発表では安心して取り組めるでしょう。
研究資料を読み込んでおくことはもちろん、どのように発表するのか声に出して練習しておくと良いですね。
スマホで撮影して、自分の姿を客観的に見てみるのもおすすめです。
整理収納アドバイザー1級試験対策は正しい勉強法が大事
(画像出典:ユーキャン)
今回は整理収納アドバイザー1級取得に向けた勉強法について解説してきました。
1級は試験半の広い1次試験、ハードルが高い実技試験の2次試験に合格しなけらば取得できません。
正しい勉強法を考えて、しっかり対策しておくことが大事です。
今回ご紹介したおすすめの勉強法を参考にしていただくと、計画的に対策しやすくなるでしょう。
せっかく時間を割いて勉強するなら、効率よく勉強したいですね。